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黒田 真司*; Marcet, S.*; Bellet-Amalric, E.*; Cibert, J.*; Mariette, H.*; 山本 春也; 酒井 卓郎; 大島 武; 伊藤 久義
Physica Status Solidi (A), 203(7), p.1724 - 1728, 2006/05
被引用回数:6 パーセンタイル:31.16(Materials Science, Multidisciplinary)窒化ガリウム(GaN)へMnをドープすることで希薄磁性半導体が形成できると期待されているが、結晶中のMnの占有位置により磁性が変化するため、結晶中のMn位置と磁性の関係を明らかにする必要がある。本研究では、分子線エピタキシー(MBE)で作製した(Ga,Mn)Nエピ膜及びAlN基板上に形成した(Ga,Mn)Nドット中のMnサイトに関する知見を得るためにラザフォード後方散乱(RBS)と粒子誘起X線放出(PIXE)測定を行った。その結果、RBSチャネリングに対応してPIXEにより求めたGa及びMn濃度が減少することを見いだした。このことより、ほぼ全てのMn原子がGaサイトに置換していることが明らかとなった。また、ドット中に含まれるMn濃度のPIXE分析の結果、同一条件でエピ成長をした厚膜よりMn濃度が二三倍高濃度であることが明らかとなり、ドット形成により多量のMnが結晶中に導入できるとの結論が得られた。
Chen, Z. Q.; 山本 春也; 前川 雅樹; 河裾 厚男; Yuan, X. L.*; 関口 隆史*
Journal of Applied Physics, 94(8), p.4807 - 4812, 2003/10
被引用回数:169 パーセンタイル:96.7(Physics, Applied)水熱法によって育成された酸化亜鉛の格子欠陥の熱的性質を陽電子消滅,X線回折,ラザフォード後方散乱,カソードルミネッセンス及びホール測定を用いて研究した。陽電子寿命測定により育成直後には亜鉛原子空孔が存在していることが明らかになった。陽電子寿命のアニール挙動から亜鉛亜鉛原子空孔は、600Cの熱処理によって消失することがわかった。X線回折ピーク幅及びラザフォード後方散乱収率も同様に低下することが知られた。1000C以上の熱処理によって陽電子寿命が増加することがわかり、これより亜鉛原子空孔が形成することが示された。しかしながら、X線回折ピーク幅は1000Cの熱処理後もさらに狭くなり、結晶性の向上を示した。自由電子密度は、1200C迄の熱処理で連続的に増加した。この結果は、アクセプターとして作用する亜鉛原子空孔よりも余計にドナーが生成することを示している。カソードルミネッセンス測定の結果、紫外発光強度が熱処理温度とともに増加することがわかった。以上のように、酸化亜鉛の結晶性は600Cから1200Cの育成後熱処理により向上することを判明した。陽電子消滅の結果は、亜鉛原子空孔の消失が、初期の結晶性向上に寄与していることを示している。
鳴海 一雅; 山本 春也; 楢本 洋
JAERI-Review 99-025, TIARA Annual Report 1998, p.155 - 157, 1999/10
化学的に不活性なサファイア中に酸化バナジウム相を生成することを目的として、サファイアに酸素とバナジウムを注入し、熱処理の際の基板及び注入元素の挙動をラザフォード後方散乱法(RBS)で観察した。還元雰囲気中での800-1000の焼鈍に対してはバナジウムの量がほとんど変化しないのに対し、空気中に焼鈍した試料は800以上の温度でバナジウムの量が減少した。これに伴い、RBSにおけるチャネリング条件とランダム条件の収量の比が大きく減少した。これらの結果より、焼鈍雰囲気(酸素の有無)によってサファイア中でのバナジウムの挙動の違い、すなわち生成する酸化バナジウム相が異なることを明らかにした。
T.Henkel*; 田中 保宣*; 小林 直人*; I.Koutzarov*; 奥村 元*; 吉田 貞史*; 大島 武
Mat. Res. Soc. Symp. Proc., 512, p.163 - 168, 1998/00
シリコンカーバイドへスカンジウム及びガリウムの注入を行い、ラザフォード後方散乱、ラマン分光、フォトルミネッセンスにより評価を行った。室温でガリウム注入(110/cm)を行うと、アモルファス化はしないが非常に多くの欠陥が形成される。その後熱処理により結晶は回復し始め、1630Cでの熱処理で結晶性は未注入試料まで回復することがわかった。スカンジウム注入においてもガリウムとほぼ同様の結果であった。ラマン分光の結果は、注入後TO,LOともにピークは減少したが、1500C以上の熱処理を行うと未注入試料と同程度まで回復した。電気特性については、1700C熱処理の試料についてキャリア濃度を測定したところ、ガリウム注入試料の方が、スカンジウム注入試料よりキャリア濃度が多く、アクセプタ不純物として有効であった。